ワーママの転職で書類審査は通るのに面接で落ちてしまうことはよくあります。企業側からすると子供がまだ小さいと「急に休むのではないか」「仕事に制約が多いのではないか」という印象があるからです。
またワーママの転職理由で多いのが、育児との両立が困難であることです。そのため転職時に「育児と両立できるのか」ということばかり気にしてしまう人がいます。しかし企業側が知りたいことは「なぜこの会社が良かったのか」ということです。ここで企業側が面接で求めていることとミスマッチが起こってしまいます。
ではワーママの面接ではどのようにすれば採用率が上がるのでしょうか。ここではワーママの有利な面接対策として、「転職の志望動機や自己PR」「面接の質問の答え方」について詳しく解説していきます。
もくじ
子持ちワーママの面接は不利?転職を有利にする志望動機と自己PR
転職の面接では子供がいるママは不利になることはあります。企業側も小さな子供を抱えるママは「急な休みを取得する」「仕事に制限がかかる」といったことがあるため、独身でフルタイムの人と比べたときに採用しにくいです。
しかし子持ちのママでも転職を成功させている人はたくさんいるため、面接の仕方次第で採用されることは多くあります。書類選考を通って面接までするということは、企業はあなたのことをもっと知りたいと思っているはずです。
そこで企業側が知りたいこと、例えば「子供は小さいが急な休みや残業はどうするか」「なぜこの会社で働きたいと思ったのか」を伝えることは大切です。
例えば「この会社でスキルを伸ばしたい・学びたい」だけではだめです。もちろんスキルを伸ばしたいことは伝えてもいいです。しかしそれだけだと企業側からすると「ここは勉強する場ではないので他で学んでください」ということになってしまいます。そのためこの会社がなぜいいと思ったのかを伝えることが大切です。
また資格取得の勉強をしているのならば必ず伝えるようにします。育児の合間に勉強をしていることは、それだけ意欲があるとみなされ高評価にも繋がります。
そして基本的には求人を隅から隅まで確認して企業が求めていることをアピールすることが大切です。例えば以下の営業の求人はどのように考えればいいでしょうか。
この場合、企業が求めていることはコミュニケーション能力と長期的に働いてくれる人材です。以下はこの求人に対する自己PRと志望動機の例文です。
私の強みはコミュニケーション能力が高いことであり、そのため相手の気持ちを察して寄り添う共感力があります。
→自分の強みを伝える
前職では美容系の販売をしておりましたが、このコミュニケーション能力と共感力を生かして顧客の要望を汲み取る商品提案ができました。そのため売上を◯%あげることができました。そして部下に対して指導する立場にあり、新卒の指導にも取り組んでまいりました。
→前者で自分がその強みを発揮できたかを具体的に伝える
貴社を志望する理由は営業については未経験ではありますが、これまで培ったコミュニケーション能力を活かし、顧客ニーズを考える仕事に関わりたという思いがあるからです。また貴社の「お客さまからの信頼をあらゆる活動の起点としている」という企業理念に感銘を受けました。
現在、私は子供が2人おりますが、育児との両立するため仕事を時間内に終了するように効率的に働くことを常に意識してきました。そのため家事の時間短縮・仕事の効率化ができるようになり、育児と両立して働くことができます。
→子供がいることで自分が得たスキルや経験を伝える
また子供は自宅近くの保育園に預けています。病気の場合は病児保育に登録しており、なるべく職場に迷惑がかからないように準備しています。
→子供はいるが仕事への影響を最小限にするよう準備していることをアピールする
貴社は子供を持つ女性が活躍しているため、安心して長期的に働けると感じています。このように前職と子育てで得た経験を活かし、貴社に貢献したいと考えています。
このように「なぜその職種で働きたいのか」「なぜその会社が良かったのか」を具体的に伝えることが大切です。
また小さな子供がいると採用率が下がるのは事実です。しかし採用されたいがために子供がいることを伝えないと、採用後にトラブルになりかねません。例えば私の知人は妊娠を機に前職を退職しており、子供が0歳児の時に復職しました。
その面接の際に、その人は子供が0歳児であることを最初に伝えました。そのあと自分のスキルやその会社で自分は何ができるのかを伝えた結果、採用となりました。その後、入職してから子供が熱を出して何度か休んだことはあるものの、急な休みにも対応してもらえました。
小さな子供がいる場合、必ず包み隠さず伝えるべきです。子供が理由で不採用となったとしても、そのような会社では子育てに理解がない場合が多く長く続けていけないです。
そのため必ず「子供がいても前向きに働きたい」ということを伝えることが大切です。
子持ちママに多い面接官の質問・退職理由は重要
では次に面接で「ママに対してよくある質問」の対策をすることが必要です。面接でよくされる質問は以下の通りです。
- 前職の退職理由は何ですか
- 子供が熱を出したらどうしますか
- 繁忙期の残業は可能ですか
- 家族構成を教えてください
退職理由は非常に重要であり、企業側は採用後にすぐに辞めてしまわないかを確認したいのです。退職理由がはっきりしなかったり、「家庭の都合」のみになったりすると、「この人はまた家庭の都合で退職するのではないか」と思われてしまいます。
なお退職理由は決して「やりたい仕事をさせてもらえなかった」など前職を悪くいうようなことはしてはいけません。前職の悪口とも取れることは企業側にネガティブな印象を与えてしまいます。例えば以下のような退職理由ならいいでしょう。
今の職場では業務量が多く毎日2時間以上残業をしている状況です。そのため育児休暇明けで戻ってきた同僚も育児との両立が難しく退職してしまう状況が続いていました。
このままでは長期的に働くことが難しいと感じ、上司に改善を訴えましたが半年以上経過しても状況は変わらないままでした。
私自身もこのままでは育児と両立して長期的にキャリアを形成することが難しいと感じ、この状況を変えたいと思い退職を決意しました。
このように「具体的に残業がどの程度あったのか」「自分が改善するためにどのように行動をしたのか」など状況を変えるための熱意をアピールすることが大切です。
小学生と乳幼児では印象が違う!子供の熱・休日や残業への質問対策法
では、次に面接でママに多い質問として「子供の熱での急な休み」「休日出勤・残業」があります。
・子供は小さいが急な休みはどうするか
企業側が困ることは「急に休まれること」なのでそこをどう準備するかを事前に対策しておくことが大切です。「子供がいるけど極力急な休みで迷惑かけないようにしたい」という姿勢が大切で、「子供がいるから休みを取らせてください」では前者のママを採用する企業が多くなります。
なお企業側からすると小学生のママと乳幼児でのママでは印象が違います。乳幼児ママは特に「急な病気ですぐに休むのではないか」と敬遠されがちになります。一方小学生になっているなら病気の回数も大幅に減ってきます。
私の子供も乳児期は年に何回も熱を出していましたが、5歳を過ぎる頃には1年間熱を出さずに通えるようになり、小学校に上がるとさらに急な病気は少なくなりました。
しかし子育て応援企業をうたっていても面接の際に「子供が病気になったときはどうしますか?」といった質問をされることがあります。そのときに明確に答えられなければ印象も悪くなります。
もし「子供に何かあったときは、両親に預かってもらえる」というようなことがあれば面接の際に伝えるといいですが、実際は核家族が多く実家は遠方といった方も多いです。その場合「病児保育室」「ベビーシッター」「パパとの連携」などを事前に準備しておくようにしましょう。
実際にベビーシッターを毎回利用することは現実的ではありません。私もベビーシッターを何度か利用したことがありますが、最低でも1000円/時間かかります。1日預けた場合は8000円から1万円ほどになります。
以下は私が利用したことがあるベビーシッターの預かり条件です。病児保育可能なベビーシッターですが、1500円/時間ですので8時間預けると12000円になります。さらにこれにベビーシッターの交通費も追加でかかります。
これを数日利用するとなると何のために働いているのかわからなくなります。さらに病児を預かってくれるシッターは少なく、実際利用するのは難しいかもしれません。
しかしクリニックなどの病児保育は登録だけは無料ですし、ベビーシッターも「病児・病後保育をしてくれるシッターさんを見つけておく」「事前に数時間だけ預けてみる」といざという時に利用できますので安心です。
以下は私が利用しているクリニックに併設された病児保育の利用条件です。このように病児保育は2500円/日で預けられますのでベビーシッターよりは割安になります。実際に利用するかは別として、面接時もこのように準備していることを伝えれば印象も違ってきます。
・残業や休日出勤はできるか
次に「休日出勤や残業はできるか」を聞かれる場合があります。この場合も「土曜日は保育園が開園しているので可能」「休日は夫が休みなので可能」などできる限りの範囲で答えるようにしましょう。
実際、私も土曜出勤は保育園が開園していたので出勤していましたし、日曜については夫が休みの日は出勤していました。しかし、平日は夫の仕事が終了するのは遅く、ワンオペ育児でしたので時短勤務を利用していました。
このように自分の譲れない条件と譲れる条件を明確にして企業側に伝えることは面接を成功させるために大切です。
「最後に何か質問はありませんか」で聞くこと・子育てとの両立や待遇を確認
ワーママが転職をする際に一番気になるのが育児と両立できる企業なのかということです。しかし、最初から「時短は取れるのか」「残業はないのか」など自分の主張ばかりしていては企業側にあまり良い印象を持ってもらえません。
ではどのように待遇面について確認すれば良いのでしょうか。自己アピールや志望動機・面接官の質問が終わったら、企業側から「最後に何か質問はありませんか」と聞かれます。このときに待遇面を確認するようにしましょう。
例えば以下のような質問なら問題なく答えてくれます。
・今は子供が小さいのでどうしても都合がつかない場合、急な熱などで休むことはあると思いますが、相談の上で対応していただけるということでよかったでしょうか。
・子供の学校の行事などで休みを取ることはあるのですが、それは取得可能でしょうか。
・繁忙期などの残業についてはなるべく対応できるようにしますが、普段は残業がほぼ発生しないという認識で間違いなかったでしょうか。
このように残業や時短制度、急な休みについても求人に書いてあることを再確認することは重要です。
なぜならここを聞き流してしまうと育児と両立ができなかった場合、こんなはずではなかったということになりかねないからです。育児と両立して長期的に働きたいのであれば、労働条件を確認することはとても大切です。
また転職には退職理由・自己PR・志望動機が欠かせません。最大限に自分をアピールしてママの面接を有利にするためには転職エージェントが有効となります。
あなたの前職や経験をヒアリングしてくれて一緒に面接の対策をしてくれます。また転職エージェントの担当者が面接に同行してくれるのであれば、あなたの代わりに条件の確認をしてくれます。
例えば私は過去に転職エージェントを利用して面接に同行してもらったことがあります。残業ができなかったため、面接時に転職エージェントの担当者に代わりに確認してもらいました。
このときは問題なく「残業はしなくて良い」と返答をもらえましたし、代わりに聞きづらいことを聞いてもらえ助かりました。このように採用の不利にならないように企業側と交渉してくれますので、登録しておくことをおすすめします。
ブランクあり子持ち主婦の面接法
一方でブランクがある場合はどうすればいいのでしょうか。妊娠出産をきっかけに退職後、ブランクを経て復職したい主婦は多いです。しかし、ワーママの転職よりもブランクのある主婦の方が転職は厳しくなります。そのためしっかり面接の対策をする必要があります。
復職の理由が「子供が3歳になったから働きたい」「子供の学費を貯めたいので働きたい」だったとしてもその理由をそのまま伝えても採用には至りません。先ほど解説した通り、大切なのは「なぜこの会社がいいのか」「なぜその職種がいいのか」です。
また子持ちワーママに企業が求めているのは「経験とスキル」「長く働いてくれること」です。企業がブランクのあるママを採用するために求められていることを最大限にアピールする必要があります。
そして、ただ「子育てをしていました」というだけでは「その間何をしていたのか」と思われてしまいます。例えば「資格の勉強をしていた」でもいいので復職に向けて努力をしていたことを伝えるといいです。
また事務職をしていたのであれば、具体的に「簿記の3級程度のスキルがある」など企業側にあなたがどれくらい実務をできるのかを伝えることが重要です。例えば以下のような自己アピールなら良いでしょう
5年前まで事務職をしており出産・育児のため退職をいたしました。また事務職として働きたいと思い、貴社に応募いたしました。
ワードでの書類作成やExcelの入力・表計算など基本的な事務作業ができます。また事務以外でも人とコミュニケーションをとることが好きで、前職でお客さまの対応などもしておりました。子育てで仕事から離れていましたが、現在簿記の資格の勉強をしています。
貴社は子育てに理解があり、私の自宅から30分以内に出勤できるため子育てをしながらでも長く勤めることができると思います。
子育てで長らく仕事から離れていましたが前職の経験を生かして貴社に貢献したいと考えています。
このように自分ができることは具体的に伝えることが大切です。「以前に事務をしていたのでやればできると思います」など抽象的な回答では企業側もブランクのあるママが本当に仕事ができるのかわかりません。
また、企業が求めている「長期的に働く意思がある」ことも合わせてアピールするといいです。このように「前職で得たスキルを具体的に伝えること」「学習をしていること」など再就職するための意欲を伝えることが大切です。
育休中・育休明けでの転職の面接法
または育休を取得したものの、今の会社では子育てと両立ができないなど様々な理由で、育休明けに転職するママはいます。そのとき気になるのが「育休明けで退職した際の退職理由を面接でどのように伝えるか」「育休明けの転職についてどのように自己PRをすればいいのか」ということです。
育休明けでの退職理由では、たとえ「育児との両立ができない会社だった」「育休切り(育休が原因での解雇)にあった」としてもネガティブなことはいわないことが大切です。あくまでポジティブに転職を考えていることを伝えるようにすると、企業側に与える印象は違ってきます。
そのため育休切りにあったとしても「会社都合のため退職となった」と伝えるといいです。例えば以下のような志望動機・自己アピールなら良いでしょう。
現在は育休中ですが、会社都合により退職することになりました。前職は事務職をしておりWordを使った資料作成やExcelを使った表計算など基本的なパソコン操作ができます。
また現在、簿記の資格試験の勉強をしており資格取得にも挑戦していきたいと思っております。
貴社では時短制度が利用できるため育児と両立して長く務めることができると感じました。またゆくゆくはフルタイム勤務をしたいと考えています。
子供は1人おりまして保育園に預けることが決まっています。実家が近いため病気のときなど、どうしても都合がつかない時は両親にサポートを頼んでいます。
私の強みは優先順位を明確にし効率よく仕事を進めることができることです。子供ができてからさらに効率よく家事育児ができるようになりました。子育てと前職の経験を活かして貴社に貢献できるよう励んでいきたいと考えております。
このようにたとえ育休中で育休切りにあって退職に至ったとしても、転職先で前向きに働いて行きたいことをアピールすることが大切です。
また長期的に働く意思を伝えることで、企業側の求める条件とマッチするため採用率も上がります。
まとめ
子供が小さいママの転職では面接で不採用となることは多くあります。そのためママの転職では面接を成功させるために事前の準備が大切になります。
育児との両立をしたい気持ちはママであれば誰にでもあります。しかしそればかりの質問や志望動機になっては、企業側があなたを採用するメリットはないと感じてしまいます。
企業側が知りたいのは「あなたが自分の会社をなぜ選んだのか」「どのようなスキルがあるのか」「責任を持って長く働いてくれる人なのか」です。
このように企業側の視点で考えてみて、自分本位な志望動機ではなく企業が求める条件をアピールできる志望動機を考えていくことが重要です。
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