現在の職場で時短勤務ができないことや残業が多いなどの理由で、子育て中のママが時短勤務への転職を希望することはとても多いです。ママの転職はハードルが高いことは事実ですが、時短勤務となるとさらに困難ではないかと考える人もいます。
では子育て中のママは時短勤務に転職することや最初から時短勤務を行うことはできないのでしょうか。子育て中で特に乳幼児のママになると帰宅後に子供の世話に追われることになるので、フルタイムでの勤務だと非常に困難です。
さらにフルタイムで残業もあるとなれば両立などできないでしょう。そのため子育て中のママにとって時短勤務で働くことはとても重要になります。そこで子育て中のママが時短勤務への転職をするためのポイントや時短勤務へ転職できる求人法について解説していきたいと思います。
もくじ
最初から時短勤務に転職:おすすめは時短正社員
今の職場では残業が多いなどの理由で育児との両立ができないため、時短勤務に転職したい方は多くいます。しかし、最初から時短勤務ができる職場はどのような職場であるかをまずは考えなければなりません。
そこでおすすめなのが「時短正社員制度」を利用して働くことです。時短正社員とは、業務時間を短く設定した上で正社員として雇用される制度のことをいいます。フルタイム勤務者と同様に正社員でキャリアを継続できるメリットもあります。
求人に「時短勤務あり」と記入のあるものは、多くは育休明けの社員が時短勤務できます。このような求人は会社規定により入職から1年後に利用可能ということが多いです。これは、少なくても転職後1年はフルタイム勤務をしなくてはいけないということです。
一方で時短正社員は最初から時短勤務が可能な制度となりますので、1年間フルタイム勤務をする必要がありません。そのため保育園の送り迎えも十分に間に合うので働くママにとってはありがたい制度となります。
ただしこの制度が導入されていても企業によっては「3歳まで」など期間を設定していることがあります。そのため求人や面接の際に詳細を確認する必要があります。また時短正社員は地域差もありますので地方になると求人は少ないのも事実です。
ではどのような求人であれば時短正社員になれるのでしょうか。求人が多いのは地域でいうと都市部になります。職種は美容師・保育士や介護士などの専門職です。このような求人であれば比較的よくありますので専門の資格をお持ちの方は探してみるといいです。
ただ専門職でなくも接客業や事務系を中心に求人はありますので、求人サイトから検索することができます。例えば以下のような求人です。総務事務の求人になりますが、PC業務スキルがあれば応募できます。10時〜19時内で時間と日数の相談ができますので自分にあった働き方が可能です。さらに慣れてくればリモートも可能ですので育児と両立しやすいといえます。
時短勤務の給料は年収300万未満が多い理由:長い目でみて転職する
では次に時短勤務での給料はどのようになっているのでしょうか。多くの場合はフルタイムと比べて給料は減額されます。
例えば時短で6時間勤務の場合、労働時間が2時間少なくなる分、多くの場合で基本給が25%程度減給となります。これは基本給が20万円の場合、時短勤務だと15万円になるということです。そのため時短勤務の年収の多くは300万以下になります。以下は時短勤務の給料の減額を図にしたものです。フルタイムの時と違い、残業代もないため実際はさらに給料は少なくなったと感じます。例えば私の場合、フルタイムの時は残業が多かったため、時短勤務になってからは以前と比べて支給額は28〜29%カットになっていました。
それでは給料が下がるため、時短勤務にメリットはないのかというとそうではありません。やはり子供が小さいうちは子育てとの両立が最も重要であり、その時期を乗り越える必要があります。
子育てが落ち着いてきた後にフルタイムに変更すれば、給料は上がってくるはずです。時短勤務で働くことは人間関係の形成やキャリアを継続できるため長い目でみれば昇進や給料アップに繋がりやすいです。
例えば私の職場の人は時短勤務を長年していましたが、同部署で時短勤務からフルタイムに変更しました。その数年後に役職についたので、時短勤務でも経験を積めればフルタイム変更後に昇進も可能になります。
時短勤務は法律で定められている:1日6時間勤務が一般的
時短勤務は一般的には6時間勤務です。育児・介護休業法では、労働基準法で定められた1日8時間を6時間に短縮することができます。
例えば私が時短制度を利用していたとき、フルタイムでは8時半〜17時まででした。これが時短になると2時間の時短休を取得でき、15時終了となります。さらに勤務時間の前後30分毎に分けて取得も可能で、前後1時間で時短を取得すると9時半〜16時の勤務形態も利用可能でした。以下は私が利用していた時短勤務を表にしたものです。このように時短勤務は6時間といっても、自分のライフスタイルに合わせて取得できるものもあります。では時短勤務であれば残業はないかというと、これは会社の規定によります。
フルタイムでの残業代は25%増しの時間給が支払われます。一方、時短での残業は残業ではなくその時間分だけ就労したとみなされます。例えば時短で6時間勤務の人が1時間残業すると7時間勤務したことになり、1時間分の残業代は25%増しではなく、通常の時間給と同等になります。
時短での残業は時間が取られるわりに残業代も安くなるためメリットはあまりないです。また残業を引き受けていては何のための時短勤務なのかわかりません。
育児・介護休業法で従業員から申し出があった場合は、時短勤務をしている従業員に対して所定労働時間以外は残業や早出はさせないように定められています。そのため会社に残業はできないとしっかり伝えるべきです。
通常、時短勤務は3歳までだがこれだと不十分
それでは時短勤務がいつまで利用できるかというと、法律では子供が3歳になるまで認められています。しかしこれは会社の規定によることがあるため一概にはいえません。
例えば私の知人だと、時短勤務はあるものの1歳までしか利用できないといっていました。この場合は従業員が子供が3歳になるまで時短勤務を申請すれば、雇用主は時短勤務をさせなければなりません。
そのため転職する際に時短勤務の交渉をすれば3歳までは利用できる可能性があります。しかしこのような時短勤務の年齢を設定している職場では、育児に理解があまりないため避けたほうがいいです。
このように時短勤務が何歳までなのかは求人や面接時に確認する必要があります。時短勤務ができると思っていても1歳で終わってしまうようなら転職した意味がありません。
では3歳まで時短勤務が利用できればいいのかというと、それでは不十分です。例えば上の子が3歳までに第2子が産まれていれば、時短勤務は第2子に適応されるため継続して利用できます。
しかしそのためには上の子が2歳過ぎに妊娠しなければならないため、あまり現実的ではありません。以下の写真は私の子供が3歳頃のものです。
少し大きくなり着替えなどは自分でできる子もいます。しかしまだ3歳になったばかりでは、オムツは外れていない子も多いです。さらに悪魔の3歳児と呼ばれる「第一次反抗期」なので、実際にはまだ手のかかる時期といえます。この時期に時短勤務が切れてしまうとフルタイムをしながら妊娠を考えることになりかなり辛いです。
このように、3歳で時短勤務が終わってしまうことは、働くママにとって両立が困難な状況になり死活問題となります。子供が3歳以上でも時短勤務をしながら働けたり、次の妊娠をしたりする方がライフスタイルに大きな変化もなく仕事ができます。そのためには時短勤務は小学校就学前まであれば安心といえます。例えば以下のような求人があります。
この求人では小学校卒業まで時短勤務を利用できるため、第2子出産にも対応できます。自分のペースで妊娠出産を考えられるため、「仕事をしっかりできるようになってから」「子供が少し大きくなってから」などゆとりを持って妊娠を計画できます。また3歳以降の手のかかる時期も育児と両立することができます。
時短の延長の交渉や小学校卒業までの時短求人
時短勤務の対象となるのは3歳未満の子供を養育している方になります。では子供が3歳以上になると時短勤務はできないかというとそうではありません。先ほど述べたとおり時短勤務を「小学校就学前まで」と設定している企業は多くあります。
このように法律が定めた対象ではなくなるものの「小学校入学まで時短勤務を続けるように努力すること」が義務付けられているため交渉次第では続けられる場合があります。
例えば私の職場では、時短勤務を小学校就学前まで利用できます。小学校に上がるとフルタイムになるのですが交渉をした結果、小学校に上がっても時短勤務を続けている社員がいました。
金銭面のこともありますのでフルタイムに移行したい方もいますが、交渉すれば時短勤務を利用できることもあります。また会社規定により時短勤務を小学校卒業までと定めている企業もあります。意外と小学校卒業までの時短の求人は多いので探してみるといいです。例えば以下のような求人があります。時短勤務を小学校卒業まで利用できますので、第2子出産や小学校1年生の壁(小学校入学に伴う環境の変化・宿題をみること)などのライフスタイルの変化にも対応できます。ただし制度利用は「当社規定あり」となっているため入職後すぐに利用できるかは確認が必要です。
このように最初から時短勤務ができない場合、「転職後フルタイム勤務ができるのか」「家族のサポートはあるのか」などしっかり考える必要があります。例えば私の職場の場合、会社の規定で1年間は時短勤務が利用できません。
そのため入職した子持ちの方は、1年間フルタイム勤務をしてから時短勤務に変更していました。残業の多い職場でしたので家族のサポートは必須でしたが、時短勤務は小学校就学前まで利用できたのでフルタイムをしても転職のメリットは大きいです。
このように家族のサポートが受けられるのであればいいですが、そうでない場合は「残業は少なめ」「ママに理解のある職場か」をしっかり確認する必要があります。
時短勤務の転職法:スタートアップ企業やベンチャー企業がおすすめ
では時短勤務での転職はどのような求人を探せばいいのでしょうか。時短勤務で転職するときにおすすめなのがスタートアップ企業やベンチャー企業になります。これらの企業は、優秀な人材を確保したいため時短勤務やフレックス制度・リモートなど柔軟に応じてもらいやすいです。
大手企業との違いは、小さな組織であるため労働者の意見を聞きいれ対応するのも早いことです。時短勤務はいつかは終わりますが、リモートワークやフレックス制度が利用できれば継続して子育てと両立ができます。
企業側も継続して働いてもらえることで優秀な人材が育つためメリットがあるといえます。例えば以下のような求人があります。IT系のベンチャー企業で最初から時短勤務のできる時短正社員での求人になります。小学生になると自分のことはだいたいできるようになります。しかし学習面のサポートが必要であったり、小学4年生以降に学童終了する場合の放課後の子供の居場所が問題となります。
いわゆる「小学校1年生の壁」と「小学校4年生の壁」です。この求人では時短勤務の他に在宅勤務も利用できますので小学校1年生の壁や小学4年生の壁にも対応しやすいです。
この小学生の壁についてはフルタイム勤務では対応できないことがあります。そのため時短勤務が継続して利用できたり在宅ワークで親が家にいたりすることは重要なのです。また在宅ワークは期間制限のない制度ですので長期に渡り育児と両立ができます。
未経験・ブランクあり可能な求人法
では専門職やスキルがなく、未経験の方は時短勤務ができる職場へ転職はできないのでしょうか。多くの場合、時短勤務の正社員で転職となると即戦力が求められることがほとんどです。未経験より今までの経験を活かせる職場の方が転職時に仕事を覚えるのも早く有利になります。
しかしブランクがある主婦の場合は未経験やブランクありの職場に転職するしかありません。出産を機に退職される方も多いので「子供が3歳を過ぎたら仕事をしよう」と考えて4〜5年のブランクがある方もいます。
ではブランクがある方はどのような求人を探せばいいのでしょうか。経験といっても前職のものでもいいですし、ママであることも自分の経験になります。専業主婦期間をブランクとせず、「経験」として活かせる仕事はあります。例えば幼児教室系や接客業はママの経験を生かしやすい業種になります。以下のような求人があります。この求人は幼児教室の求人になります。最初から時短勤務も可能で未経験・ブランクありでも可能です。さらに子育て経験がある方は優遇されますので自分の経験を活かして働くことができます。
では他にどのような求人を探せばいいかというと、事務系や接客系が狙い目になります。事務系であれば「未経験・ブランク可」「ママ歓迎の求人」を中心に探せばいいです。接客業であればコミュニケーション能力の高いママの経験が活かしやすく時短正社員の求人もあります。
しかしブランク・未経験で最初から時短勤務ができる求人は少ないです。時短制度はあっても会社規定により「1年後に利用可」としている企業があるからです。そのため最初の1年はフルタイムをしなくてはいけない場合があります。例えば以下のような求人です。この求人では時短勤務がいつから利用できるのか詳細は確認が必要です。もしかしたら会社規定で「1年後から時短勤務を利用できる」としているのかもしれません。しかしフルタイム勤務をする場合、残業も少なく17時退社ですのでお迎えにも十分間に合います。その後、時短勤務に変更すれば小学校就学前まで利用できますので転職のメリットは大きいです。またフォロー体制や研修も整っていますので未経験でも安心です。
まとめ
小さな子供がいるママにとって時短勤務をすることは育児と両立する上で非常に大切です。私も時短勤務を小学校就学前まで利用できたため3人の子供を出産できました。
この場合、下の子が小学校に上がるまで時短勤務を利用できますので、上の子が小学校高学年になるまで時短勤務を利用できることになります。小学校卒業まで利用できる企業ではさらに長期に渡り利用できることになります。
時短勤務に転職するときは自分のライフスタイルにあった求人を選ぶことが大切になります。時短勤務中は給料面でデメリットはありますが、育児が落ち着いてくればフルタイムに変更もできます。そのためキャリアアップなど長期的に考えても転職をするメリットは大きいです。
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