育休明けで「今の会社では育児と両立ができない」「前の部署に戻れないため復帰するより転職がしたい」など様々な理由により育休明けで転職をする人は多くいます。

しかし育休中で保育園の内定が決まったあとに転職すると、保育園の内定取り消しという自体になり兼ねません。現職の就労証明書で保育園を申請して、その後転職すると申請内容が異なるために選定し直しになることがあるからです。せっかく入れた保育園が退園になってしまっては転職することもできません。

では育休明けで転職をすると本当に保育園は退園になるのでしょうか。その場合、退園になるかどうかは自治体によります。

ここでは育休明けで転職をした際に保育園はどうなるのか、その対応方法について解説していきます。

育休明けで転職がしたい・転職すると保育園はどうなる?

育休を取得後に「転勤となる部署に復帰することになった」「時短勤務が利用できないことが発覚した」などの理由で育休明けに転職をする人はたくさんいます。以下は育休取得後の退職者の割合です。

このように1年間で育休取得後に退職した人は10%程度いますので、毎年かなりの人が育休取得後、復帰せずに退職していることがわかります。

また妊娠を機に「育児との両立の不安」を理由に退職を選ぶ女性は50%近くいます。そのため、たとえ育休を取得しても実際に子育てをする中で、育児と両立できるのか不安になることは当然あります。

以下の表は内閣府による6歳未満の子供を持つ夫婦の育児関連時間をグラフしたものです。このように日本では諸外国と比べて女性の家庭での家事や育児の割合が7時間34分と多いです。一方、男性の家事・育児の割合は1時間23分と諸外国と比べても半分ほどとなっています。

仕事をしていてもこの割合はあまり変わらないため、女性が時短勤務や残業などの理由で育児との両立に悩まされることは当然あります。

そのため育休明けであっても転職する人が多いのですが、保育園に現職の就業証明書を提出して保育園が内定した後に転職した場合、保育園の内定取り消しの場合がありますので注意が必要です。

現職と転職先の就労証明書の労働時間が大きく違わなければ退園にならない場合がありますが、これは自治体の対応によります。例えば「現職はフルタイム勤務」「転職先は週3日勤務」など大幅に勤務時間が違えば退園の可能性は高くなります。

なお、育休明けで転職するとき、いくつかパターンがあります。

  1. 育休中に退職&転職したあと、保育園の申請を転職先の就労証明書で申請して保育園が内定する
  2. 育休中に現職の就労証明書で保育園の申請をして、保育園の内定後に退職&転職をする
  3. 育休明けで復帰してから数ヶ月して退職&転職する

1の場合、保育園が決まれば保育園の申し込み内容に違いはないため退園にはなりません。

2の場合は、保育園の申請内容に違いがあるため退園の可能性があります。3については自治体によって違いはありますが、一度現職に復帰しているので申請内容に違いがないため退園の可能性は低いです。ただしあまりすぐに転職すると自治体によっては退園になることもあります。

このように一番退園の可能性が高いのは「2の保育園に現職の就労証明書で申請後に退職&転職をした場合」になります。では保育園に内定後に転職が決まってから、実際にどのように対応するのかを次に解説して行きます。

育休明けで転職したら速やかに区役所と保育園に連絡を

いざ復帰しようとしても会社の面談で「復帰後の部署が希望の部署ではなかった」「時短勤務が利用できないことがわかった」ことが発覚し、やむを得ない理由で復帰を断念することがあります。そのため保育園が内定したあとに転職をせざるを得ない人がいます。

その場合、退職&転職が決まったら速やかに区役所に連絡が必要です。保育園の申し込み条件が違うため入園撤回の場合もあり、退園になるのか確認を取る必要があります。区役所に相談後は、新しい職場で就労予定証明書を書いてもらい役所に提出する必要があります。

流れとしては新しい職場から就労予定証明書を書いてもらい区役所に提出します。その後、区役所が点数を再度計算し再選考して入園の可否を決めることになります。待機の人がいればまたその人たちの点数と比べての再選考です。

現職と転職先の就労時間など条件が大きく違わなければ退園にならない場合もありますが、激戦区では対応がシビアになります。

しかしこれはあくまで一部の自治体の例ですので、転職した際は速やかに区役所に相談することが大切です。

退園になる条件は自治体によって違うため転職前に確認は必要

このように保育園に内定したあとの転職では、退園になるかどうかは確定ではありません。しかし退園となった場合は、また保育園を探さないといけない自体になり兼ねません。そのためなるべく現職に復帰後に転職をする方が保育園の退園になることは避けられます。

例えば私の住んでいる自治体では、現職に復帰後に数ヶ月でも働けば、退職&転職をしても保育園を継続することは可能です。

そのため可能であれば、転職をする前に自分の住んでいる自治体に「保育園に内定後、転職をすると内定取り消しになるのか」を確認することをお勧めします。直接聞きにくければ、市役所に匿名で電話をして確認するといいです。私も何度も区役所に行って確認するのは気がひけるため電話で確認をしていました。

電話は匿名ですし区役所に転職の相談をしたからといって、内定取り消しにはなりません。また、事前に確認さえしていれば保育園を継続できた事例はたくさんあります。

例えば私の知人の自治体は保育園の激戦区で、下の子の保育園に第5希望で内定をもらいました。しかし保育園の面談後に園が合わない為、内定を辞退することを区役所に伝えました。その際「辞退するということは家で子供が見れるということ」であるため、上の子も保育園の退園を迫られました。

そのため、その保育園に入園するしかなかったのですが、激選区であればこのように内定辞退についてもかなりシビアに対応されます。一方、私の自治体では保育園の内定後に辞退しても上の子が退園になることはありません。しかし、次に保育園に申し込むのときにペナルティが課せられます。

このように自治体によって対応は様々になります。事前に確認していればよかったということにならないために、転職する際は退園の条件を確認しておくことが重要になります。

2人目育休中に転職すると上の子は退園?3歳以上は1号認定に変更も可能

なお、第2子の出産により育児休暇を取得して上の子が保育園に通っている場合、現職に復帰せずに転職をすると上の子が退園になる場合があります。これは上の子を保育園に継続して通わせるために就労証明書に「育休中」と記載して提出しているからです。

例えば私の自治体では第2子の育休を取得して復帰せずに転職すると上の子は退園になります。一方、現職に復帰後、数ヶ月でも働けば転職しても上の子は退園になりません。しかし待機児童が多い自治体では対応はシビアになります。

もし退園になっても、上の子が3歳以上であれば1号認定で幼稚園や認定こども園に転園することは可能です。通っている園が認定こども園である場合、そのままの園で2号認定から1号認定に変更するだけでいい場合もあります。1号認定は園との直接契約ですので区役所を通さずに空きがあれば入園できるのです。

例えば私の知人は小規模保育園(2歳児までの保育園)へ入園後に3歳児で転園をしなければならなかったのですが、保育園の3歳児はほぼ空きがありません。そのため認定こども園の1号認定に園と直接契約で入園していました。以下は認定と利用できる施設について表にまとめたものです。

このように満3歳以上であれば保育園の他に幼稚園や認定こども園の1号認定で入園は可能です。また1号認定でも延長保育を利用すれば働くことはできます。

転職後に退園になってしまった場合、このような入園の仕方もありますので検討してみるといいです。ただし、1号認定と2号認定では預かり事情が異なりますので働き方も違ってきます。

認定こども園や幼稚園の1号認定では働きにくい?

認定こども園や幼稚園の1号認定の場合、園によって預かり時間の違いはありますが、延長保育を利用すれば18時頃まで預けられます。以下は1号認定と2号認定・3号認定の預かり時間の表です。このように1号認定でも預かり保育が利用できますが、園によって預かり時間は違いますし保育園より短い場合が多いです。また2号認定との大きな違いは「土曜保育が預けられないこと」「警報で休みになること」です。

園によっては2週間ほどの夏季休暇があり、その間は子供を預けられないことがあります。このような条件では転職先の就労条件と合わなければ働くことはできません。

例えば私の知人は認定こども園の1号認定に3歳児から入園しましたが、預かり条件が合わないため転園することになりました。ちょうど新しい園が開設されたタイミングであったため2号認定で転園することができましたが、タイミングが違えば転園はほぼ難しいです。

このように預かり条件は園によって異なることがあるため、1号認定に変わる前に園に預かり条件をしっかり確認することが必要です。入園してから「こんなはずではなかった」ということを避けるため、事前の確認は何事も大切です。

特に正社員で働くママは1号認定では対応できないことが多いので、なるべく2号認定を継続して保育園に通う道を探すことが重要です。

まとめ

育休を取得して保育園に内定してから退職と転職をせざるを得ない人は多くいます。子育てにあまり理解のない職場であれば、復帰しても家庭状況によっては長く続けることはできません。

そのため、復帰を断念して転職することはありますが、退職を決意したタイミングで保育園の内定取り消しの条件について確認することは大切です。退園にならないのであれば安心して転職活動ができますし、退園になるなら復帰の道や認可外保育園へ入園など事前に対策を考えることができます。

事前の確認で退園の道しかない状況は避けられることが多いです。退職と転職をするだけでママ にとっては大変ですので、転職の際に保育園の退園条件を把握しておくことは重要です。

 

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