育児休暇は会社に復帰する前提で取得する休暇ですので、復帰せずに退職することはできれば避けたいです。しかし育児休暇から復帰するときに勤務条件が合わないなどの理由で退職したいママは多くいます。

そのとき育児休暇中でも退職をすることになるのですが、小さな子供がいる状態ですので、会社に出向くのも大変です。その場合、退職の方法について悩むママはたくさんいます。

では退職の伝え方や退職手続きをどのようにすれば円滑に退職できるのでしょうか。このとき、育児休暇中の「退職の手続き」「退職の伝え方」を学ぶことはとても大切です。

なぜなら育休中の退職は復帰前提であったこともあり、円満退職とはなりにくいです。そのため伝え方やタイミングを間違えるとさらに状況は悪化してしまいます。

ここでは「退職の伝え方」「育児休暇給付金や退職日についてなど退職手続き」についてママがスムーズに退職できるように詳しく解説していきます。

育休中に退職がしたい!会社への申し出のタイミングは?

育児休暇中で退職する場合、会社へはどのようなタイミングで伝えればいいのか悩む人は多くいます。育児休暇は会社へ復帰することを前提としているため、復帰できないとわかった時点で速やかに申し出ることが望ましいとされています。

しかし、会社側には復帰できないことがわかったのが、いつなのかはわかりません。そのため退職は自分のタイミングで伝える方がいいでしょう。

例えば生後3ヶ月の子供がいる状態で退職を決意したとしても、まだ生後3カ月では育児に追われている状態です。そのような時期に退職手続きをするのは少し大変です。以下の写真は私の子供が生後3ヶ月(上)と生後7ヶ月(下)の頃の写真です。

このように数ヶ月違うだけでも赤ちゃんはとても大きくなります。また生活リズム(朝寝・昼寝・夜の寝る時間など)も生後6ヶ月以上になると整ってきます。

そのため赤ちゃんのリズムが整ってきた時期で退職を伝える方がママにも余裕を持って退職手続きができるためいいでしょう。

ただし、育児休暇中に退職してすぐに転職を考えている場合、転職に合わせたタイミングで伝えることが必要になります。

例えば4月入職を目指して転職活動をしている場合、転職先の内定や保育園の内定が決まるのが2月頃になります。その場合は2月の下旬には退職を申し出るようにするといいです。

育児休暇中の転職のタイミングについてはこちら

また会社で退職は3か月前に伝えることと規定されている場合もありますが、実際は退職の2週間前までに伝えれば問題はありません。これは民法にも明記されています。以下は民法627条1項目の引用になります。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

ただし可能であれば引き継ぎや手続きのこともありますので、1か月前までに伝える方がマナーとしてはいいでしょう。

育休中で会社へ退職の伝え方は?育休中のママはまずは電話で伝える

では、会社への退職の伝え方はどのようにすればいいのでしょうか。まずは直属の上司に電話で退職の意向を伝えます。もし可能なのであれば、直接会社へ出向いて伝える方がマナーとしてはいいです。

しかし実際は育休中で休んでいるため、まだ子供が小さく会社に出向くのが大変な場合が多いです。その場合は電話で伝えてもいいでしょう。

そのとき、お世話になった方にもメールや電話などで退職を伝えるようにします。できれば落ち着いたあとに会社へ出向いて挨拶をする方がいいです。

また育休を取得して復帰しないのは無責任だと自責の念にかられる方もいますが、雇用条件が合わない職場で働き続ける必要はありません。

無理に復帰したところでいずれ転職をしなくてはいけません。それまで無理をして働くことは自分も子供もストレスがかかる時間が長引くだけになります。

他人軸ではなく自分軸で転職することが大切になりますので、育児休暇中の転職は仕方がなかったと割り切ることが大切です。

育休中に退職するときの伝え方の例文

では会社に退職を伝える方法とタイミングを決めたら、次は退職の伝え方を考えなければなりません。

伝え方によっては、会社側から引き止めにあったり責められたりする場合もあります。ではどのように退職を伝えるとスムーズに退職手続きへと移れるのでしょうか。

以下は育休中に退職を伝える際の伝え方の例文になります。

育休中に退職を伝える

お忙しいところ申し訳ございません。育児休暇を取らせていただいている〇〇です。

半年後の仕事復帰を考えておりましたが、産後より体調が優れないこともあり仕事と育児との両立が困難な状況になりました。

家族とも相談致しまして、いまの状態での仕事復帰は難しいため退職をしたいと考えております。

職場への復帰に向けたご配慮をいただいたのにも関わらず、このような形になり申し訳ありません。

在籍中は皆さまからたくさんのご指導をいただき、感謝しております。また本来であれば直接出社して伝えるべきではありますが、体調不良のため電話での連絡となり大変申し訳ありません。

育休中であり体調が優れない場合、無理に出社することは難しいため電話連絡でも可能です。その場合、必ず電話連絡になったことについて謝罪することが大切です。

また退職理由も体調不良や家族の反対などを伝え「その理由なら仕方ない」と納得してもらうことが重要です。

なぜなら「育児と両立が不安である」ことが理由になれば、「時短勤務をしてはどうか」と引き止めにあう可能性があるからです。

例えば私の知人は結婚して職場から離れた場所に引っ越すため退職を申し出ました。そのとき会社から引き止めにあい、断りきれずに片道1時間半以上かけて通勤をしていましたが、結局退職していました。

このように引き止めにあうことはありますが、なぜ退職したいのかをしっかり考えることは大切です。情に流されて無理をして残ったとしても結局は転職することになります。

そのため復帰に不安があり退職をするのであれば、その不安が解消されなければ復帰をしても意味がありません。あくまで自分の気持ちを一番大切にして退職することが必要です。

なお、「復帰後の就労が難しくなったため退職させていただきたい」と上司に連絡し了承されれば、あとは総務メインでの手続きとなる場合が多いです。

そのため上司に退職を伝え了承されることが必要ですので、退職を伝えるときはしっかり準備していくことが大切です。

育休中の退職日はいつにするのか?社会保険料免除も考慮して決めるべき

では次に育休中に退職する場合、退職届に書く退職日はいつになるのでしょうか。

基本は会社との話し合いになるので自分の都合で書かないようにします。なお、会社から一方的に退職日を通達されるのは解雇ということになりますので、あくまで話し合いで決定することになります。

その場合、退職日は月の末日の方が良いです。なぜなら健康保険・厚生年金は月の末日に在籍している場合に支払うためです。

育児休暇中は社会保険料は免除されているため退職日が月の末日であれば、次の月から保険料が発生し自分で支払わなければなりません。

例えば11月30日に退職すると11月分までは育休中であり社会保険料は免除となり、保険料を支払うのは12月分からになります。

一方、11月20日退職となれば10月分は免除となり、11月分から保険料を支払うことになります。その場合、夫の扶養に入るか任意継続被保険者制度を利用することになります。以下は退職日と社会保険料の支払いについての表になります。

このように月の末日の退職と月の途中の退職では、育休中に受けられる社会保険料の免除が1ヵ月違ってきますので注意が必要です。なるべく月の末日に退職をすると社会保険料の免除がギリギリまで受けられますのでオススメとなります。

育児休暇給付金は返金になる?退職日でもらえる金額が変わることも

なお、育休中の退職で育児休暇給付金は返金する必要はありません。育児休暇は復帰を前提としている制度になりますが、育休中に復帰が叶わないことはよくあることです。

しかし育児休暇給付金は退職日をもって給付は中止となりますので、それ以降は1歳未満であっても受け取ることはできません。

また育児休暇給付金は退職日によって受け取る額が変わってきますので注意が必要です。

育児休暇給付金は育児休業開始日から子供が1歳の誕生日の前々日までが支給期間になります。支給されるのは育児休暇開始日から1ヶ月ごとに区切られており、退職の場合は退職日が属する一つ前の支給単位期間までで給付金は終了することになります。

例えば育児休暇開始日が12月3日であれば月の3日から翌月の2日までが支給単位期間となります。

その場合、退職日が6月2日であれば5月3日〜6月2日分までの育児休暇給付金が受け取れます。しかし退職日が5月31日の場合、4月3日〜5月2日分の支給分までで終了となってしまいます。

これは退職の場合は支給単位期間の末日まで在籍している場合、その期間の給付金が受け取れるためです。以下は育休中に退職した場合の育児休暇給付金の受け取り期間の違いについてです。

たった2日違いで1ヵ月分の支給額が変わってくるため、できれば支給額末日まで在籍した方が育児休暇給付金がきっちりもらえますので、それも考慮するといいでしょう。

また育児休暇給付金を返金しないのは会社に申し訳ないと感じる方もおられます。しかし育児休暇給付金は雇用主ではなく、雇用保険より支払われているため特に会社に対して気病むことはありません。

まとめ

育児休暇中に退職する場合、どのように退職を伝えればいいのかタイミングや伝え方はとても大切になります。

育休中であれば復帰を前提としているため円満退職とはならない場合が多いです。しかし、「育休中に退職となったことに申し訳なかったという気持ち」と「今までの感謝の気持ち」を精神誠意伝えることで少しでも円満に退職することができます。

ここまで述べてきたことを理解し、適切な退職の伝え方・手続法を行うことで育休中でもスムーズに退職をすることができます。

 

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