子育てとの両立や仕事のやりがいを理由にワーママが転職を考えることは多くあります。
しかしワーママの転職は子供がいない人の転職に比べ、条件が多くハードルが高くなります。企業側もワーママの転職では急な休みや残業ができないなどの制約があるため敬遠することがあります。
一方、ママも子育てと両立できる職場に転職を成功させたいがために、自分のやりたくない仕事を選んでしまうことがあります。しかしそれでは長く仕事を続けていくのは難しくなります。
ではワーママの転職ではどうすれば自分にあった条件の職場に転職することができるのでしょうか。
ここではワーママが自分の得意なこと・やりたいことを見失わずに育児と両立できる職場への転職法を解説していきます。
もくじ
ワーママの転職はハードルが高いこれだけの理由
ワーママの転職はハードルが高いとよくいわれますが、実際にはどのような理由があるのでしょうか。以下は「子供がいる女性が再就職活動で困難だったこと」についてのグラフ(厚生労働省委託調査・労働者アンケート調査結果より)です。
このように希望する条件の職場がない・家族の支援がないと採用されないなど子供がいることで職場選びに制限がかかり、転職が難しくなってしまいます。
そのほかにも採用されないことへの精神的不安や転職活動の時間が取れないなど子育てと両立しながらの転職活動はママにとって負担が大きいことがわかります。
またベンチャーを中心に子育てに配慮した制度が増えてきましたが、どれも未就学児対象である場合が多いです。そのため小学校の子供がいるママにとっては条件が合わないことがあります。
むしろ保育園時代の方が条件も幅広く、時間的にも長く働けるのが現状です。例えば保育園の預かり時間は朝の7時から19時までですが、小学校になると8時前後から18時までとなることがあります。
これは学童保育に変わるため預かり時間が短くなってしまうためです。このように小学校の壁(預かり時間が短くなる・宿題など親が見ないといけないことが増える)といわれることが起こります。
小学生の壁を考えると転職条件は厳しくなる
例えば私の場合、朝7時半には出勤しなければなりません。しかし、娘が小学校へ上がった途端に登校時間が8時に変わりました。
このとき朝の30分をどうするかをかなり悩みましたし、私の同僚はここで小学校の壁にぶつかり転職を選ぶ人もいました。以下は私の子供の保育園と小学校の預かり状況です。
幸い私の場合は3人目の育児休暇と重なりましたので、小学校2年生になってから7時半に登校させて教室の前で待たせるという方法で乗り切りました。
これが学校にも慣れていない状態で、7時半に登校するとなれば娘の性格では無理でした。この場合、転職をするのであれば「朝8時以降に出勤すれば間に合う職場」ということになります。
また小学校に上がると宿題がついてきます。学童保育で子供は宿題をやってくるのですが、宿題のチェックはしないといけません。
本人任せにしていると小学校3年生・4年生と学年が上がるに連れてついていけなくなることもあります。これがいわゆる小学校4年生の壁です。
また長期休みの宿題も今はタブレットで宿題が出ますし、量も多いです。計算問題も小学校1年生で「何分以内にするように」とスピードを求められます。
このように小学校に上がると保育園時代とは違い学習面でのサポートをする必要が出てきますので、その時間も確保しなければいけません。
保育園時代は朝早くから預けられて、宿題を見る負担もありません。子供が3歳以下だと時短勤務を取りながら働くママもいますが、3歳以上では仕事を長時間できていたママもいるでしょう。しかし、小学校に上がると別の負担が出てきます。
このように小学校と保育園では預かり事情が違うため保育園時代より転職の条件が厳しくなるのです。
家庭の両立を優先しすぎると失敗する
このとき育児と両立できる条件ばかりに目がいきがちになります。しかし、そればかりを気にしていると転職で失敗してしまうことになります。
もちろん、家計費は毎月必ず必要になるものです。教育費や住宅ローン・光熱費など節約だけではどうにもならない出費があります。そのため安易に転職はできませんし、転職の失敗はできないと考えるママは多くいます。
また子育てママの転職はハードルが高く独身時代と比べて「嫌だったらやめて次を探す」ということが難しくなります。
それはワーママの転職には条件が多いためです。例えば「残業はできない」「急な休みを取る」「行事などで休みを取る」などです。そのためその条件にあった職場を探す必要があります。
しかし、その職場が自分がしたい仕事とマッチするとは限りません。そのため「やりがいを取るか、子育てを取るか」を悩むことになります。
このとき、子育てを優先しすぎてしまうと、全くやりたくもない仕事を選んでしまうことがあります。しかしそれでは長く仕事を続けていくことはできません。
子供はいずれ親の手が離れます。小学校に上がれば自分のことが自分である程度できますので、少し楽になったと感じることが増えます。小学校に上がったばかりでは宿題や学校生活などでサポートが必要ですが、その時期を乗り越えると徐々にそれも慣れてきます。
中学生になればかなりの確率で仕事の幅を増やせて、自由に働けるようになるでしょう。そのときにやりたくない仕事をしていては、また転職を考えることになってしまいます。
しかし、そのときの自分の年齢を考えると、よほどスキルがなければ転職は難しいかもしれません。女性の平均出産年齢は30歳ですので、子供が中学生に上がる頃には40代以上になっています。第2子のことを考えると45歳を超えている人が多くいます。
このようなことを事前に予測して、子供が小さくて両立が必要である場合でも、自分のやりがいや得意なことを考えて転職することは大切になります。
育児との両立とやりたいことやスキルアップのバランスが大切
なお、家庭の事情を優先して自分のやりたいことが見えなくなっているママは多くいます。そのため子育てママの転職には自己分析が大切になります。
「お迎え時間」「年収」「夫の勤務に合わせた自分の勤務条件」や「子育てに理解のある職場」ということばかり囚われていては「自分が何が得意で何がしたいのか」がわからなります。
そしてこのやりたいこと・得意なことがない転職では面接でアピールがなかなかうまくいきません。子育てがしやすいからという理由が中心では、企業側は「うちじゃなくてもいいのではないか」ということになってしまいます。
「待遇を取り嫌な仕事をやり続けるのか」「やりたいこと・スキルアップを取るのか」で悩むことは当然あります。
しかし、ママである前にあなたは一人の女性であり、子育てはいずれ終わります。しかし仕事は定年の65歳まで続きます。
仕事は人生においてのやりがいにもなりうるので、自分で何が大切かを考えていくことはとても大切です。
しかし、そうはいっても子育てと両立ができなければ仕事を続けていくことはできません。そのためやりがいと子育ての両立の条件はバランスが大切になります。転職をる際にはこのバランスを取ることが成功の鍵になります。
条件を明確にして転職のバランスをとる
ではどのようにバランスを取ればいいのでしょうか。ここで必要なのが自己分析をするということです。育児に必ず必要な条件はあります。
例えば自分しかお迎えにいけないのであれば、「残業なし」「時短勤務」の条件がつきます。その上で自分の得意なことやりたいことを探すようにします。
ここで大切なのは育児の条件にもやりたい条件にも「ここまではできるけど、これ以上はできない」ことを明確にしておくことです。
例えば「残業はできないけど土曜日出勤や日・祝は夫が休みであれば出勤が可能である」などです。あれもこれもできないと考えてしまうと求人は極端に少なくなってしまいます。
そのため「ここまではできる」という自分の条件を明確にしておくことがママの転職では大切になります。
やりたいこと・得意なことを見つけるワーク
では次に、「得意なこと」「やりたいこと」「絶対にやりたくないこと」を明確にする必要があります。そうすることで挫折せずに長く仕事を続けていくことができます。
「やりたいことや得意なこと」であれば少々嫌なことがあっても、やり続けることができます。しかし嫌な仕事をやっていては退職という道を選んでしまうことになります。
何より仕事をしている時間は人生においてとても長いです。そのとき嫌な仕事をしていては、人生の大半を嫌な時間で過ごすことになってしまいます。
また家族のためや子供のためにママは自分を犠牲にしがちです。そのため「自分のやりたいことや得意なこと」が何だったのかが、わからなくなることがあります。
そのため一度立ち止まって、自分を分析してみると自分にあった転職先を見つけることができます。
ではまず、「自分の得意なこと」「やりたいこと」を紙に書き出しましょう。これは「今まで仕事をしてきたこと」でもいいですし、「子供の頃や学生時代にこれならずっと打ち込んでやれていたこと」でも構いません。
全く好きなことがわからない人は、特に子供の頃好きだったこと・ずっとやり続けていたことを思い出すといいです。
これは大人になってからは親や学校の教育や刷り込みで、条件付きで物事を考える癖がついている人が大半であるためです。そのため本当に自分がやりたいことや好きなことは子供の頃に好きだったことに基づいていることが多くあります。
人は条件を優先すると「自分が何が得意で何がやりたいのか」がわからなくなります。そのため箇条書きでいいので、自由に書いていきます。以下は自分の自己分析のためのワークです。例えば私の場合は、子供の頃によく作文を書いて褒められた経験があります。そのため文章を書くことが好きでした。また人の世話をすることも好きです。
この場合、文章を書く仕事なら得意ですし、人の世話をする医療系・介護系やヘルパーでもずっと続けられるかもしれません。また前職でのスキルや得意なことがあればそれも書いていきます。
では次に絶対やりたくないことを書いていきます。例えば「事務仕事が苦手」という人もいるでしょうし、「クレーム対応は一度したけどとてもしんどかったから無理」ということもあるでしょう。以下は箇条書きにした例文になります。箇条書きでいいので書いていき、自分が何が得意で何が苦手なのかを把握しましょう。その上で求人を探すようにすると「条件はとてもいいが絶対したくない仕事」の場合はやめておくという判断もできます。
またどちらか迷うような条件の求人の場合は「得意なこと」「好きなことができる職場」「苦手なことがない職場」の方を選ぶようにします。
このように自分をしっかり分析することで、自分にあった職場を選ぶことができるようになります。
子育てとやりがいを両立する仕事求人法
では「自分がやりたいこと」と「やりたくないこと」を明確にしたら求人探しになります。
ワーママの場合、子育てと仕事の両立で転職活動に時間がありませんので、転職エージェントに登録しておくことが大切になります。
転職エージェントではあなたの仕事内容や条件を聞いてくれ、それにあった職場を紹介してくれます。
そのときに「自分がしたいこと」「これだけはしたくないこと」を伝えましょう。そうすることで自分にあった職場を紹介してくれます。
また自分で探す場合でも、検索に自分の条件を入れて探すことができますので、ここでも自己分析が役に立ちます。
例えば前職が営業職であなたの条件が残業なしで人と関わる仕事をしたい、また朝早くからの出勤はしたくない場合、以下のような求人があります。歯科商品の営業の求人になります。基本的に残業はなく、直行直帰になりますので周りを気にしてなかなか帰れないということもありません。朝も9時からになりますので小学校に子供がいても見送ってから出勤ができます。
前職が営業で同業種に就職したい場合や、未経験でも可能な案件ですので人と関わる仕事がしたい人は応募してみるといいでしょう。
まとめ
ワーママの転職は条件が多くつきやすく、転職は難しい場合が多いです。しかし子育てと両立することばかりを考えていては、いい職場に出会うことは難しいです。
育児との両立はもちろん大切であり、そこができない職場であれば親などのサポートがない限り働くことはできません。そのためやりがいと子育てとの両立とのバランスを取る必要があります。
ここで学んだワークを取り入れて、自己分析をすることで自分がしたいことや、これだけはしたくないことを明確にしましょう。それから求人を探すことで自分にあった条件の職場を見つけることができます。
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